コーヒーの種 ユーゲニオイデス種
ユーゲニオイデス種
品種
ユーゲニオイデス種(C. eugenioides)は、コーヒーの種の1つです。アラビカ種(C. arabica)の母方の祖先であると考えられています。父方の祖先はカネフォラ種(C. canephora)です。
「コーヒーノキ属に含まれる種のリスト」,百珈苑
- C. eugenioides S.Moore (1907)
- ユーゲニオイデス種。1898年にA. Froehnerがアラビカ種の一変種(C. arabica var. intermedia)として報告したが、後にS.Mooreが別種として記載した。ブルンジ、ルワンダ、コンゴ民主共和国、スーダン、タンザニア、ケニア、ウガンダの、比較的標高の高い地域に分布する。多雨な常緑樹林帯だけでなく、乾期のある落葉樹林帯や、サバンナなどにも生育していることがある。
- 押し葉標本の記載によると、現地でコーヒーとして用いられる他、槍の柄や杖にも利用されているという。
- ユーゲニオイデス種はカフェインの含量がアラビカ種の数分の1程度である。これは植物中に蓄積したカフェインを代謝する酵素の活性がアラビカ種よりも高いことによる。
- ユーゲニオイデス種もしくはその近縁種が、アラビカ種の母方の祖先に当たると考えられている(父方はC. canephora)
歴史
ユーゲニオイデス種は、2015年のワールド ブリュワーズ カップ(WBrC)(World Brewers Cup)で、アメリカ合衆国(USA)のサラ・アンダーセン(Sarah Anderson)によって国際舞台に紹介されました。
シアトルで開催されたワールド バリスタ チャンピオンシップの舞台で大活躍したメリサルデ/ホルギンの別のコーヒーが、2ヵ月も経たないうちに、今度はスウェーデンのイェーテボリで開催された2015ワールド ブリュワーズ カップで国際的なスポットライトを浴びることになった。アメリカ合衆国のブリュワーズカップ・チャンピオンであるサラ・アンダーソンは、伝統的なコーヒー(カリフォルニア州ロングビーチで開催された国内大会では、インテリジェンシアのタケシ・ゲイシャ農園で出場)から、本当に珍しいコーヒーに変更することを、ほぼ競技中に決断した。国際大会の準備のため、インテリジェンシアのコーヒー担当の副社長ジェフ・ワッツは、アンダーソンを世界大会に出場させる可能性のあるコーヒーをカッピング・テーブルに並べた。テーブルの上には、ちょっと変わったものもあった。
「冗談かと思いました」とアンダーソンは初めてユーゲニオイデスを口にした時のことを語った。ユーゲニオイデスはブルボンやカツーラのような品種ではなく、コフィア・アラビカの明確な親種である。「ジェフがシカゴに戻る前の最後のカッピングだったので、前の週にみんなで彼が同じコーヒーをカッピングさせて、混乱させるようなことをして、私たちをからかうのではないかと冗談を言っていたんです。だから正直、彼は(ユーゲニオイデスのカップに)砂糖を入れたんだと思いました。私たちをからかっているんだと思いました」。
アンダーソンは、現在ノルウェーのオッド=スタイナー・トーレフセンが保持しているワールド ブリュワーズ カップのタイトルを手にすることはできなかったが、彼女の珍しいコーヒーが国際的なスポットライトを浴びるようになったことは、それ自体が勝利だった。
「ブリュワーズ カップは、ブラインド・カッピングとは異なり、このコーヒーを紹介するのに最適な舞台でした」と、アンダーソンはユーゲニオイデスをルーティンに取り入れたことについて語った。彼女は、ユーゲニオイデスにはアラビカ種のコーヒーにありがちなクエン酸がほとんどなく、よりソフトでリンゴ酸的な性向にあると指摘した。
Having already stormed the World Barista Championship stage in Seattle, not two months later would another of the Merizalde/Holguin coffees see an international spotlight, this time at the 2015 World Brewer’s Cup competition in Gothenburg, Sweden. United States Brewer’s Cup Champion Sarah Anderson made a nearly game-time decision to change from a more traditional coffee (she competed with Intelligentsia’s Finca Takesi Geisha at the national competition in Long Beach, CA) to something truly unusual. In preparing for the international competition, Intelligentsia’s Vice-President of Coffee, Geoff Watts, set out a cupping table with some potential coffees for Anderson to take to the world level. Some of the choices on the table were a little unusual.
“I seriously thought it was a joke,” said Anderson of her first taste of Eugenioides, which is not a coffee variety like Bourbon or Caturra, but rather a distinct parent species to Coffea Arabica. “It was our last cupping with Geoff before he moved [back] to Chicago, so we were all joking the week before that he was going to play some joke on us, make an entire cupping of all the same coffee, do something to mess with us. So I honestly thought that he put sugar in [the Eugenioides cup]. I thought, he’s messing with us.”
Though Anderson did not take home the World Brewer’s Cup title, currently held by Norway’s Odd-Steinar Tøllefsen, the rise of her unusual coffee to an international spotlight was a victory of its own.
“The Brewers Cup was the perfect stage to present this coffee as opposed to a blind cupping,” said Anderson of her choice to showcase Eugenioides in her routine. She noted that Eugenioides is almost completely absent of the citric acidity we’re used to in Arabica coffees, leaning towards a softer, more mallic bent.
"Meet The Species Eugenioides, Coffee’s Weird Delicious Uncle",Sprudge 2015年8月31日.
その後、2021年のワールド バリスタ チャンピオンシップ(WBC)(World Barista Championship)で、第1位となったコロンビア(Colombia)のディエゴ・カンポス(Diego Campos)(Finca Los Nubes)、第2位となったアメリカ合衆国(USA)のアンドレア・アレン(Andrea Allen)(Finca Inmaculada)、第3位となったオーストラリア(Australia)のヒュー・ケリー(Hugh Kelly)(Finca Inmaculada)が、こぞってユーゲニオイデス種を使用したことにより、一躍話題となりました。
ユーゲニオイデス種は栽培が非常に難しく、1本のコーヒーノキからコーヒー豆150gしか生産できません。現時点(2023年)で商業生産に成功している農園は、コロンビア(Colombia)のインマクラーダ・コーヒー・ファームス(Inmaculada Coffee Farms)のみです。
特徴
ユーゲニオイデス種は、アラビカ種やカネフォラ種よりカフェインの含有量が少ないです。苦味や酸味がほとんどなく、圧倒的な甘さを特徴としています。
ユーゲニオイデス種 C. eugenioides:https://real-coffee.net/category/varieties/c-eugenioides