丸美珈琲店:ニカラグアブエナエスペランサ農園パカマラ
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今回は丸美珈琲店のニカラグア ブエナ エスペランサ農園 パカマラです。こちらは2006年4月に後藤栄二郎氏がオープンした札幌市中央区に本店があるスペシャルティコーヒー専門店です。現在札幌市内に6店舗展開しています。(ホームページはこちらから)。

ニカラグア ブエナ エスペランサ農園

ニカラグアは、中米の中央部に位置し共和制国家です。北はホンジュラス、南はコスタリカに接し、東はカリブ海、南西は太平洋に面しています。ニカラグアは中米最大の面積があり、西部には山岳地帯、東部にはジャングルが広がっています。ニカラグアの人口の約半分は低地に集中しており、国土の半分は未開発の熱帯雨林に覆われています。ニカラグアは全土が熱帯気候に属していますが、標高や地域によって大きく異なります。首都のマナグアの平均気温は26℃前後です。11月~4月が乾季、5月~10月が雨季ですが、カリブ海岸の低地では雨季と乾季の区別がはっきりしない気候です。1年中高温多湿ですが、中でも4、5月が一番暑く、乾季の12月~1月が比較的過ごし易い時期です。

ニカラグアとパナマは、太平洋と大西洋を結ぶ輸送路として競争関係にありました。元々は19世紀半ば、ゴールドラッシュの時期にアメリカが、ニカラグアの南に位置する大きなニカラグア湖を通って大西洋と太平洋を結ぶニカラグア運河を建設するプランがありました。ニカラグアは川と湖の水路と乗合馬車による陸路をつなぎ合わせた輸送路が大量の人員と物資を輸送して成功を収めましたが、1855年にパナマ地峡鉄道が開通すると、このルートは衰退します。1914年にパナマ運河が開通し、パナマはその繁栄を迎えます。ニカラグアは中南米の中でハイチに次ぐ最貧国ですが、仮にニカラグアに運河ができていれば、現在のような貧困国ではなかったはずです。

アメリカのパナマ運河に対抗すべく、中国が再びニカラグア運河の建設を目指していました。その全長はパナマ運河の3倍以上の259kmにもなり、太平洋側からカリブ海に抜けるルートです。アメリカの影響下にあるパナマ運河を通らずに通航できれば、中国の得られるメリットは大きいわけです。2019年に完成予定でしたが、2018年2月に中止となったと報道がなされ、いまだに未成です。

ニカラグアコーヒーの主な産地は、北部にホンジュラスと国境を接する北部のヌエバ・セゴビア(Nueva Segovia)とヒノテガ(Jinotega)、その南に位置するマタガルパ(Matagalpa)です。ニカラグア ブエナ エスペランサ農園 パカマラを生産するブエナ エスペランサ農園(Buena Esperanza)は、ニカラグアの中部に位置するマタガルパにあります。マタガルパはイサベリア山脈やダーレン山脈が走っている標高の高い地域で、標高700m~1,200mの地域でコーヒーが生産されます。

1850年頃ニカラグアに持ち込まれたコーヒーは、ニカラグア湖北部あたりで栽培が始まっていたとされています。ブエナ エスペランサ農園のあるマタガルパのコーヒー生産は、世界的に有名なコーヒー農園であるリモンシリョ農園を所有しているミエリッヒ家によって始められます(リモンシリョ農園についてはこちらから)。1888年ドイツの地質学者だったブルーノ・ミエリッヒ氏(Bruno Mierisch)が、地質調査と鉄道建設のサポートのためにマタガルパにやってきました。ニカラグア政府が彼の貢献を評価し、マタガルバの北の高地を彼に与えました。そこにコーヒーを植えたのが、マタガルバのコーヒーの歴史の始まりです。

ブエナ エスペランサ農園はAgricola Rajuanse S.A社が所有している農園です。もともとは1960年代にアメリカの製材会社が所有していた木材加工工場の一部でしたが、1970年代初頭にコーヒー栽培へ転換しました。1970年代後半から1980年代にかけてのニカラグアの政治状況の変動(ソモサ独裁政権に対する革命)は、農業全般を含む多くの分野で国家の不安定化をもたらしました。ブエナ エスペランサ農園の状況は1990年代に入って安定しはじめましたが、当時はまだ解決されるべき様々な社会問題が残っていました。

2013年11月に、ニカラグアのペルー人家族であるオルティス・ストエセル(Ortiz Stoessel)家が農園を買収しました。それは危機的状況にあったブエナ エスペランサ農園に現代の基準に照らして、農園の枠組みを再構築する機会を与えました。新しい事業はオルティス家の二人の息子の名前の最初の二つの頭文字が取られてRajuanse Estatesと名付けられました。

Rajuanse社は高品質のコーヒー生産のためのマスタープランを作成し、すべてのコーヒーノキのリニューアル、天然に湧き出る泉の保護、自然林の再生と保護、サステナビリティ(持続可能性)のための近隣の地域共同体の統合が計画されました。

彼らは最初の3年間で毎年50万本のコーヒーの苗木を植えました。また認証プログラムを開始し、2016年に2つの大きなサステナビリティ認証を取得しました。サステナビリティのために農園面積の50%を自然林のまま維持し保護しました。また、地域共同体を支援するためにEDUCAFEというコーヒーの教育プログラムを行っています。

2018年ニカラグアで開催されたカップオブエクセレンス(CoE)において86.80点を獲得し33位に入賞したコーヒーです。ブエナ エスペランサ農園は2016年に初めてカップオブエクセレンスに参加しました。2017年には受粉、適切な収穫の時間の測定、収穫からウェットミル、ウェットミルからドライミルの時間の最小化など、コーヒー生産のすべての過程に注意を払い、3年目で入賞を果たすことができました。

ちなみに、ニカラグアの2019年のカップオブエクセレンスは、政治情勢の悪化のために中止になりました。現在のニカラグアはかつての革命終結以降、最もひどい内戦下にあり、カップオブエクセレンスを主催するACE(The Alliance for Coffee Excellence )が、現在の政治状況で開催するにはリスクが多すぎると判断したためです。2020年には再開予定です。

品種はレッドパカマラ(Red Pacamara)です。ブルボンの突然変異種パーカス(Pacas)とブラジルで生まれたティピカの突然変異種マラゴジッペ(Maragogype )の交配種で、エルサルバドルコーヒー研究所(スペイン語:Instituto Salvadoreño para Investigaciones del Café、英語:Salvadorean Institute for Coffee Research)によって最初に開発されました。パカマラにはイエローパカマラ(Yellow Pacamara)もありますが、レッドパカマラは深い赤色のコーヒーチェリーです。スクリーンS18+が95%以上を占める非常に大粒の豆です。

レッドパカマラは果実感のある酸味、ブラウンシュガーのような甘味、チョコレートのようなコクとボディ、なめらかな口当たりが特徴です。ニカラグア ブエナ エスペランサ農園 パカマラは他のお店では取り扱いがほぼないため、非常に珍しいコーヒーです。

味はピーチやライムのような甘酸っぱい酸味が特徴です。苦味少なく、口当たりなめらかです。明るい果実感のあるコーヒーが好きな方におすすめです。

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<このコーヒーについて>
2018年ニカラグアで開催されたカップオブエクセレンス(CoE)において86.8点を獲得し33位に入賞したコーヒーです。
CoEとはその年に収穫されたコーヒーの中から最高品質のコーヒーに送られる賞で、中南米を中心に各国で行われているコーヒーのコンテストです。
国内予選を勝ち抜き、国際審査員による厳正なる審査を受け、最高のコーヒーとして評価されたごくわずかなコーヒーだけが授与される称号でもあります。

丸美珈琲店ホームページより
後藤栄二郎氏の紹介

後藤栄二郎氏は2013年の焙煎技術日本大会で優勝し、2014年のイタリア開催の焙煎技術世界大会で日本代表世界第6位になった方です。

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焙煎

焙煎:ミディアムロースト(8段階中3番目)

中浅煎りです。ちょうど基準となる焙煎度です。1ハゼが終わったぐらいの焙煎度です。酸味が強く、苦味は弱いです。焙煎する最初の段階の時にちゃんと水分抜きを行わないと、渋みが目立って、飲みにくくなります 。コーヒー豆の品質が味にわかりやすく表現される焙煎度合いです。高級豆はこのミディアムローストが多いです。

ニカラグア ブエナ エスペランサ農園 パカマラは浅煎りにすることで、豆の持つ明るい果実感が引き出されます。

欠豆、貝殻豆が若干見られます。パカマラ種に特徴的な非常に大粒の豆です。

ピーチやライムのような甘酸っぱい酸味がキレイに出ています。明るい果実感が印象的です。ニカラグアのパカマラは珍しいので、レアなカップをお探しの方におすすめします。


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