丸美珈琲店:エチオピア グジ ハンベラ ナチュラル

丸美珈琲店のエチオピア グジ ハンベラ ナチュラルです。こちらは2006年4月に後藤栄二郎氏がオープンした札幌市中央区に本店があるスペシャルティコーヒー専門店です。現在札幌市内に4店舗展開しています。

エチオピア グジ ハンベラ ナチュラル

エチオピア

エチオピア(Ethiopia)は東アフリカに位置する内陸国です。北をエリトリア、東をソマリア、南をケニア、北西をスーダン、北東をジプチに囲まれています。首都はアディスアベバです。エチオピアは200以上の言語を話す70以上の民族グループを持っています。かつてエチオピアはアビシニア(Abyssinia)と呼ばれていました。

エチオピアはナイル一帯の高原地帯に位置している、面積113万平方キロメートル以上のアフリカ最大の国の一つです。エチオピアには海抜マイナス100mをきるアファール盆地(Afar Depression)があるダナキル砂漠(Danakil Desert)と、海抜約4,600mのエチオピアの最高峰、ラス・ダシャン山(Ras Dashan)までの険しい地形が広がっています。

エチオピアコーヒーの主要な産地として、コーヒーの名の由来といわれるカファ地方(Kaffa)、南部のシダマ地方(Sidama)、東部山岳地帯のハラー(Harrar)があります。

エチオピアはグレート・リフト・バレー(Great Rift Valley、大地溝帯)の入り口にあたり、北東の紅海から南西に向かって国土を半分に割るようにグレート・リフト・バレーが貫いています。グレート・リフト・バレーの西と東で、コーヒーノキのタイプに違いが見られます。グジ地方は東側の南部グループに位置付けられます。東側のコーヒーノキは人工的に栽培されたものがほとんどで、自生のコーヒーノキは見られません。西側には自生のコーヒーノキがみられます。

グジ

エチオピア グジ ハンベラ ナチュラルは、エチオピアオロミア州(Oromia Region)グジ地方(Guji Zone)ハンベラ・ワメナ群(Hambela Wamena Woreda)で生産されたコーヒーです。

オロミア州

オロミア州、Wkipediaより

エチオピアでは1995年に憲法改正があり、「エチオピア連邦民主共和国憲法(the Constitution of the Federal Democratic Republic of Ethiopia)」が施行されました。ここからエチオピアは「諸民族」の民族自治による連邦制へと移行しました。

このエチオピア連邦民主共和国憲法のもとで、「諸民族」の民族自治の理念に合わせて、1995年にエチオピアでは行政区画の変更がありました。エチオピアの行政区画は「州(Region または Regional state)」、「地方(Zone)」、「群(Woreda)」の順に区分されることになり、さらに郡の下に行政区画の最小単位として「住民自治組織(Kebele)」が置かれることになりました。

エチオピア グジ ハンベラ ナチュラルが生産されるオロミア州は、オロモ民族(Oromo People)が多数を占める地域として編成されました。

オロミア州の州都は、エチオピアの首都でもあるアディス・アベバです。州都は2000年にアディス・アベバからアダマ(Adama)へ変更されましたが、大きな論争となり、政府は2005年に州都をアディス・アベバへ戻すことを余儀なくされました。

エチオピアのコーヒー生産は、主にエチオピア南西部と南東部のオロミア地方と南部諸民族州(Southern Nations, Nationalities, and Peoples' Region(SNNPR))に集中しており、エチオピアコーヒーの95%がこれらの地域で生産されます。

なかでもオロミア州は、エチオピアコーヒーの約50%を生産するエチオピア最大のコーヒー生産地域です。

エチオピアのコーヒーは栽培の仕方によって、ガーデン・コーヒー(Garden Coffee)、 フォレスト・コーヒー(Forest Coffee)、セミ・フォレスト・コーヒー(Semi-Forest Coffee)、プランテーション・コーヒー(Plantation Coffee)の4つのタイプに分けることができます。

オロミア地方と南部諸民族州で生産されるコーヒーのほとんどが、小規模生産者によって栽培されるガーデン・コーヒーです。

オロミアコーヒー生産者協同組合連合

オロミアコーヒー生産者協同組合連合、Pachamama Coffee Cooperativeより

エチオピアでは2008年に設立された「エチオピア商品取引所(Ethiopia Commodity Exchange (ECX))」によって、コーヒーの取引が一元化されました。しかし、協同組合で生産されたコーヒーは、エチオピア商品取引所を経由することを逃れており、買い手と直接取引が可能です。

オロミア州には、1999年に設立された「オロミアコーヒー生産者協同組合連合(Oromia Coffee Farmers Cooperative Union(OCFCU))」という大きな協同組合があります。この協同組合は、アディス・アベバの工業地帯に大きな精製所と品質管理センターを持っています。

グジ地方

グジ地方、ResearchGateより

グジ地方はエチオピア南部に位置しています。

グジの名前は、オロモ民族(Oromo People)の部族の名前から取られています。行政の中心地はネゲレ・ボラン町または群(Nagele Borana Town または Separate Woreda)です。

グジ地方は2002年9月に誕生した新しい地方です。現在のグジ地方の南部に境を接するボレナ地方(Borena Zone)の高地が分割されたことで生まれた地方です。

グジ地方はコーヒー生産地として有名な南部諸民族州ゲデオ地方(Gedeo Zone)とシダマ地方(Sidama Zone)と北西で境を接しており、グジ地方はこれらの地方と近い北西部でコーヒーが生産されています。

グジ地方に住む主な民族はオロモ民族ですが、その他にゲデオ民族(Gedeo People)、アムハラ民族(Amhara People)、ソマリ民族(Somali People)が4つの大きな民族グループです。

グジ地方のコーヒー生産はガーデン・コーヒーで、家の裏庭のような場所で小規模農家がコーヒーを栽培しています。

グジ地方はかつてスペシャルティコーヒーもコマーシャルコーヒーも、「シダマA(Sidama A)」に分類されていまし。しかし、グジ地方で生産されるコーヒーが独特のカップクオリティを持つことから、独立した地域として扱われることになりました。

グジ地方のコーヒー、Trabocca B.V.より

トラボッカ社によって制作された、グジ地方のコーヒーの短いドキュメンタリーがあります。このドキュメンタリーでは、この地方にコーヒー生産を広めたシャキッソ農園(Shakisso Farm)のハイレ・ゲブレ(Haile Gebre)氏とスケ・クト農園(Suke Quto Farm)のテスファエ・ベケレ(Tesfaye Bekele)氏に焦点が当てられています。

かつてグジ地方の人々の関心は金と畜牛にあり、コーヒー栽培は狂気の沙汰と見なされていたようです。しかし、この地方でコーヒーを経済的で持続可能な作物とするという彼らの信念によって、徐々にコーヒー栽培が広まっていきました。火事で5000エーカーの森林を焼失した後、焼けた場所を農地として再生したという話も語られています。

グジ地方がコーヒー生産地域として有名になったのは、主に彼らの功績によるものです。

ハンベラ・ワメナ群

グジ地方のコーヒー生産エリア、Traboccaより

ハンベラ・ワメナ群(Hambela Wamena Woreda)は、グジ地方北西部に位置する群です。この群はウラガ群(Uraga Woreda)の一部です。

エチオピアのコーヒー生産地域(Area)はエチオピア商品取引所によって分類されており、これは国家による地理的区分と必ずしも一致しません。

エチオピア商品取引所コーヒー契約(ECX Coffee Contracts)」では、ハンベラ(ハンベラ・ワメナ群)はグジ地域に分類されるため、この群で生産されたコーヒーは「グジ」ブランドとして販売されます。

エチオピアの有名なコーヒー会社であるメタッド社(METAD Agricultural Development PLC (METAD))の所有農園であるハンベラ農園(Hambela Farm)は、このハンベラ・ワメナ群に位置しています。このハンベラ農園内には、アラカ住民自治組織(Alaka Kebele)のハンベラ農園 アラカ(Alaka)、ブク住民自治組織(Buku Kebele)のハンベラ農園 ブク農園(Buku)など、複数の農民協会があります。ハンベラ・ワメナ群がコーヒーの生産地域として認識されるようになったのは、主にメタッド社の功績によるものです。

メタッド社のコーヒーについては、以下の記事を参照してください。

このコーヒーはハンベラ群・ワメナ群の小規模生産者によって生産されたガーデン・コーヒーです。

*コーヒー生産地域名は必ずしもブランド名を意味するわけではありませんが、エチオピア政府は有名産地(ハラー、シダモ、イルガチェフェ)を商標登録しているため、コーヒー生産地域名はコーヒーのブランド名であると考えても問題ないと思います。

品種

エチオピアの品種は、「エアルーム品種(Ethiopia Heirloom)」として総称されることが多いです。これは遺伝的に多様なエチオピアの品種を包括的に呼ぶための用語です。

日本では「エチオピア在来種」、「エチオピア原種」などと呼ばれることが多いですが、これらはいわば俗称です(例えば、旦部幸博氏は「エチオピア野生種/半野生種」という呼び方をしています)。

このエアルーム品種は、野生種と半野生種の2つのグループに大きく分類されます。

エチオピアの野生種はグレート・リフト・バレーの西側に自生していた品種です(この辺りは旦部幸博氏の百珈苑BLOGの「エチオピアからイエメンへ:遺伝子解析による系統解析」を参照してください)。

エチオピアの半野生種の多くは、1967年に設立された「ジンマ農業研究センター(Jimma Agricultural Resarch Centre (JARC))」で開発された品種です。ここでは耐性のある高品質のコーヒー品種の開発と、それらの品種を栽培するための農業技術を提供してきました。

エチオピア商品取引所によって取引されるコーヒーは、コーヒーの生産地域以外の情報はすべて匿名化され、品質によってロットが分類されるため、コーヒーの生産履歴を追跡することが困難です。

しかし、エチオピア商品取引所を経由しない一部のコーヒーは、生産された農園や精製所、品種などを特定することが可能です。

精製方法

精製方法はナチュラル(Natural、乾式)です。コーヒーチェリーを収穫後、そのまま天日乾燥させ、干し葡萄状態になった殻(ハスク)を取り除きます。

グジ地方のコーヒー生産地域は、コーヒー生産地として名高いシダマ地方やイルガチェフェ群と隣接しており、カップクオリティに共通点があります。

この周辺地域のナチュラル精製のコーヒーは、果実感のあるフレーバー、明るい酸味が特徴です。

丸美珈琲店のエチオピア グジ ハンベラ ナチュラル

<このコーヒーについて>
久しぶりにエチオピア ナチュラル製法のコーヒーが入荷いたしました。

このコーヒーはコーヒーの原産国であるエチオピア国内でもコーヒー生産地として有名なグジ地域ハンベラという町に住む小規模生産者たちの庭先で育ち収穫されたマイクロロットです。
このエリアは以前から自生している背の高い自然林に覆われており、 コーヒーの樹のシェードツリーの役割を担っています。またそれらの落ち葉が腐葉土になり、コーヒー栽培に適した肥沃な土壌が生成されています。
また、豊富な水源や標高が高く涼しい気候など、コーヒーチェリーの成熟や生産処理工程に良い環境が整ってい ます。このような自然環境が織り成した生育条件が、素晴らしいテイストの一因を作り出しています。

丸美珈琲店 ホームページより
後藤栄二郎氏の紹介

後藤栄二郎氏は2013年の焙煎技術日本大会で優勝し、2014年のイタリア開催の焙煎技術世界大会で日本代表世界第6位になった方です。

アプリコットのようなフレーバーとレモンのような明るい酸味が印象的です。とろみのある滑らかな口当たりのコーヒーです。

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