
今回はカフェ ランバンのグァテマラ ジャスミン農園 ティピカの紹介です。実店舗は北海道札幌市にある自家焙煎珈琲店です。パナマ エスメラルダ ゲイシャや、エリーゼブルー、コピ・ムサンなど、世界的にも希少なコーヒーを飲むことができる喫茶店です。
カフェ ランバンのグァテマラ ジャスミン農園 ティピカ
グァテマラはシェラ・マドレ山脈が縦横に走っている中米北部の国です。シェラ・マドレ山脈はメキシコの北西から南東にかけて連なる大山脈で、北はロッキー山脈に続き、南端に位置するのがグアテマラです。グァテマラは火山国で、グァテマラコーヒーの多くは山脈の斜面で栽培されています。標高1,300m~2,000mの高い標高、降雨量の多い肥沃な火山灰土壌で、高品質なコーヒーの栽培に恵まれた環境です。気象は、太平洋側と大西洋側のそれぞれの熱帯性気候に影響されます。
グァテマラには狭い国土に8つの代表的な産地があり、山脈を挟んで気象条件が違うため、それぞれに特徴が異なります。中央にあるのがアンティグア地区、国を囲むようにしてあるのがフライハネス地区、アカテナンゴ地区、サンマルコス地区、アティトラン地区、ウエウエテナンゴ地区、コバン地区、ヌエボ・オリエンテ地区の8つです。今回紹介するグァテマラ ジャスミン農園 ティピカを生産するハスミネス(英名ジャスミン)農園はフライハネス地区にあります。
1767年にイエズス会がスペインの植民地だったこの場所から追放された後、現在フライハネスの自治体が建っている地域に豊かな牧草地が残されました。その場所はJuan MilánとJuan Alvarezという二人の司祭に与えられました。これらの司祭は、尊敬と愛の意味を込め、1860年にその地域を「フレイユ・フアネス(Frailes Juanes)」と改名しました。その名前は「フレイユ・フアネス(Frailes Juanes)」に変わり、最終的に「フライハネス(Fraijanes)」に変わりました。
フライハネス地区はグアテマラで最も厳しい場所のひとつであることが知られています。軽石の混ざった火山性土壌、高い標高、そして活火山であるパヤカ火山(Payaka)があります。豊富な降水量、70~90%と湿度が高く、12~26℃と昼夜の激しい寒暖差、地域により異なった気象を持っている。
高い高度、軽石の混ざる火山灰の土壌は、近くのアンティグアとフライハネスが共有する特徴です。 しかし、雨が多く、湿度が高いため、アンティグアとフライハネスの気候は非常に異なっています。フライハネスは高度、微気候の変動、地理的影響により、以下の4つの小さなエリアに分けることができます。
アマティトラン(Amatitlán):アマティトラン湖(Amatitlán Lake Valle)とその周辺地域で構成されています。他の地域よりも降水量が少ないため、この地域は湖の強い風とパカヤ火山の活動からより直接的な影響を受けます。
フライハネス(Fraijanes): フライハネスの管轄区域は、グアテマラの寒い季節に吹く恒常的な風、激しい雨、さらには霜によって影響を受ける高い高原に位置する硬い地形であり、他の地域よりもより大きな地域です。
マタケスクイントラ(Mataquescuintla):ヌエボオリエンテとフライハネスの境に位置するこの地域のコーヒーは、オレンジと甘いミルクチョコレートのような複雑な味わいを持っています。
パレンシア(Palencia):グアテマラシティの北に位置し、適度な雨量と快晴の日が多いエリアです。その荒い地形は、豆から適度に水分を奪い、豆の成長を遅くします。野生のハチミツやカラメルのような複雑なブレンドを持ったカップを生み出します。チョコレートのような味わいがあり、後味はドライフルーツのようなフレーバーが残ります。
このようなプロファイルのバリエーションは、フライハネス地区の最大の資産の一つであり、高度な精製によって自然が生み出す風味の変化を引き出しています。
ジャスミン農園は首都グアテマラシティから南へ30キロの距離にあるパカヤ火山の麓にある数少ない農園の一つです。中央アメリカで最も活動的な火山と言われているパカヤ火山の麓にあるため、常に噴火被害のリスクに晒されていますが、肥沃な土壌と、標高1,400~1,600mの適度な標高はコーヒー栽培には適していると言えます。
グアテマラの三つの活火山の中で最も活発なパカヤ火山は、この土地に非常に頻繁に火山灰を撒き散らし、土壌に重要な鉱物を与えます。 乾季にはたくさんの日差しがあります。年間降雨量1,800mmと降水量が多く、雲、霧、非常に重い露が出るのが早朝には一般的ですが、太陽が昇るとともにそれらはすぐに乾燥します。
コーヒーは100%シェードツリーの日陰で栽培され、100%天日乾燥されます。
ブルボンとその系統の品種が大半を占めるグアテマラでは珍しく、この農園ではティピカ種が生産されています。ティピカは、オランダの植物園からパリの植物園へ、そこからカリブ海のマルティニク島に苗木が持ち込まれ育てられた木からカリブ海の島々、中南米に伝播した品種です。現存する様々なアラビカ種はこのティピカから派生しています。円錐形の高木で、約3,5~4,0mまで成長します。病害虫に弱く、生産性は低いですが、品質が高いのが特徴です。ティピカは生育されている場所の地理的条件によって数種類に区別されています。グァテマラティピカはグアテマラで生育し、その後ハワイコナにもたらされました。現在グァテマラではティピアの生産者はほぼおらず、グァテマラティピカは希少なものとなっています。
精製方法はウォッシュト(湿式)です。
グァテマラのコーヒー豆は標高により7等級に分けられます。
ストリクトリー・ハードビーン(SHB) | 標高1,350m以上 |
ハードビーン(HB) | 標高1,200~1,350m |
セミハードビーン(SH) | 標高1,050~1,200m |
エクストラ・プライムウォッシュト(EPW) | 標高900~1,050m |
プライムウォッシュト(PW) | 標高750~900m |
エクストラ・グッドウォッシュト(EGW) | 標高600~750m |
グッドウォッシュト(GW) | 標高600m以下 |
こちらのコーヒー豆はストリクトリー・ハードビーン(SHB)の格付けなので、標高1,350m以上で生産された最高等級の豆を使用しています。
味ははっきりとした味わいが特徴で、アンティグアよりも酸味が少し強めです。明るく持続性のある酸味、はっきりしたボディとチョコレートのような甘い香りとまろやかさがあり、全体としてバランスが良い、飲みやすいコーヒーです。
当店人気のジャスミン農園ニュークロップが入荷しました。クリーンな酸味を楽しみたい方におすすめです。『カフェ ランバンホームページより』
カフェ ランバンでは、コーヒー豆の焙煎度を選ぶことができますが、こちらのグァテマラ ジャスミン農園 ティピカは浅煎り(ライトロースト)、深煎り(フレンチロースト)から選択できます。
焙煎
焙煎:ライトロースト(8段階中1番目)
最も浅煎りです。ライトローストでは香りもコクも引き出すことができないので、ライトローストのコーヒーはほぼ存在しません。
カフェ ランバンでは浅煎りでも、充分に香りが引き出されています。その他の苦味、コクなどがないため、香りの印象がダイレクトに伝わっています。
通常はコーヒーを粉の状態で買うと、酸化が速くなるのでオススメできませんが、カフェ ランバンの浅煎りはお店で挽いてもらった粉の状態で買うことをオススメします。
こちらはライトローストです。挽いてもらった状態です。粉の形がきれいです。
味
爽やかな味わいです。浅煎りのため苦味はなく、綺麗な酸味が特徴です。
焙煎
焙煎:フレンチロースト(8段階中7番目)
フランス式の極深煎りです。2ハゼ(ピチピチという音)の終わりぐらいの焙煎度です。カフェオレやウィンナーコーヒー・エスプレッソなどに向いています。
酸味はほとんどなく苦味が強く感じられます。苦味、コクに加えて厚みが出てきます。コーヒー豆の色はほ黒に近いこげ茶で、油が滲みます。エスプレッソやクリームを加えて飲むフランスやイタリアのコーヒー向きの焙煎です。
お店で挽いてもらった状態です。
味
全体のバランスが良く、通常のコーヒーに近い味わいです。個性は控えめですが、飲みやすく、誰にでもオススメできます。
総合評価
ハワイコナにもたらされた今では珍しいグァテマラティピカです。グァテマラティピカは今ではほとんど生産されていませんので、コーヒー好きの方に一度飲んでみることをオススメします。グァテマラコーヒーに特徴のバランスが良い、爽やかなコーヒーです。常飲向きです。
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カフェ ランバン ではありませんが、グァテマラのコーヒーをいくつかご紹介します。